今年の両会の特色は?

かつての職場でも両会の分析といえば、ちょっとしたハイライトの仕事で、一生懸命政府活動報告を読み、新聞を読み、過去の政策と比較し、他人の過去の分析を読み、自分の分析をかいたものだった。

それなりに、特色や売りがあり、それなりに報告すべきことはあった。

ところが、それと比べると今年の両会は地味で、大体庶民もそれほど注目していないし、体制の方も、真面目に庶民にこの場で政策をアピールして支持してもらおうという魂胆も見えない。はっきり言って、どうでもいい、という感じがかなりあった。

今日チャイナウオッチャーに聞いたところ、鋭くも彼が総括した今年の特色は「特色が無くてつまらない、こんなつまらない両会は今までになかったこと」という。

なるほど。なぜつまらなかったかというと、ここでものごとを決めていないというのだ。ますますトップ1人がすべてを決める方式に収斂されつつあり、政府ではなく、党が決める、と。

あとは、大臣や官僚たちも虎狩でビビりまくっており、仕事をする雰囲気ではないとか。

だから、特色のない、これと言って実質的なことを決めない会議になったのだと。

これ、納得であった。

さらに、話は現在のトップの話題で進む。

彼の虎狩は相当なマフィア狩りを開始しており、それは力で押さえつけて勝つ以外に方法はない。汚職掃除には彼が強権を振るって乗り切るしか方法はない。もうたくとうになるしかない。

元より自分も自由などを謳歌したことのない人間だから、知識人や言論のじゆうなど最初から全く重視するつもりはない。彼が見ているのは底辺で不満を抱えている大衆という。だからそういう人々が好きな軍事パレードなどをしてみせるのだと。(パレードのもう一つの理由は軍部の指揮回復。トップが相次いで解任されてかなり混乱しているからその必要があるという。)

ということは、汚職狩りはどんどんやってもらいたい一方で、それを維持するためには彼が政権に安定している必要がある。そのために彼は今、かなり時代錯誤な言論封じや日本の戦前のような敵対勢力の仕業、とか、中国人は自分の文化に返るべきという漢服イベントとかをやる。

つまり、頭脳のある普通の神経のある市民にとってはますます息苦しい締め付けがされていくという見通しになる。

これはとても困る。

じゃあ、こんな時代錯誤なことをやる独裁を倒せとなるか、というと、そのシナリオも決して楽観はできない。反日がでるのは、権力が弱くて抑えられない時と彼は指摘する。かなり混乱する可能性は高い。商売ところではなく、戦争だって始まる可能性も否定はできない。

となると、どちらもとても困るのだ。

この国は一体どうなるのだろうか?そう思ったら急に暗い気持ちになってきた。

これ、本日の北京なり。