四川の旅 変化の大きさと金の臭いとコンクリート

1年半ぶりに四川の旅にでた。3つの県を回り、車で約1000キロを移動した。
あちこちの道は立派になり、距離もどんどん縮まっている。インフラ建設のスピードは驚異的だ。

更に、インフラといえば、成都のハイテク区はすごかった。私は人の生活が染みついていない新しい街は概して皆嫌いだ。コンクリートの隙間風が吹いていくような妙な寂しさと虚しさを感じさせるからだ。ここも例外ではなく、ここでかつて畑をやっていた農民はどこにいってしまったのだろうか?と思うとぞっとする位、「突然」な街だった。立派過ぎる大きなオフィスビルを眺めていると、このビルのためにどれだけのお金が動いたのだろうか、と考え、はっきらいの奥さんが人殺しをしたのを思い出し、人の一人や二人は死んでいてもおかしくないだろう、と想像した。コンクリートの冷たく重い迫力があった。

ここのハイテク区は成都市政府もあり、バカでかいとしか言いようのない波打つモールがあり、Wという文字の新華社の成都支社があり、三峡工程とか中国電網とか大手国有企業の名前を冠した立派なビルが整然と道の両側に生えてきている。開発が本格化してたった10年ちょっとというからこれは本当に中国のスピードだ。

そのうちの一つの友人のオフィスを見せてもらったが、まるでシカゴの大手ビルのエントランスのように天井が高く、立派だった。オフィスの一角にはバー・コーヒーコーナーのようなソファーが置かれたオープンスペースもあり、ここはGoogleかいな?と思うことも。さらに職員食堂も立派だった。カードを1回当てれば、あとは食べ放題。四川だから朝から酸辛粉とか包子とかありとあらゆるものがある。来て食べている人たちはみんな小ざっぱりした若い人ばかり。これが新しい中国かあ、という感じだった。

マナーの悪い中国人観光客とかいつも同じ情報ばかりを消費している暇はない。これだけの変化がこの国では起きている、ということをもっとリアルにとことん意識すべきだな、と思った。

コンクリートの冷たさとお金の臭いを感じ、中国の変化のスピードに改めて圧巻された。

これ、先々週の成都で感じたこと。