ふたたび北京

羽田発北京行きは朝既に45分遅れという通知がきて、結局3時間半遅れで出発。天候のせいというが、こちらの雨はごく普通の雨。よくわからない。多分軍事演習の影響もあるのだろうが、そうとは公表していない。不透明でいい加減だ。

日本の搭乗手続きはすごく遅かった。私の番が来ても、とにかく遅い。座席は前の方がいいと言ったが、その後、窓際がいい、というとまたやり直してくれたりとていねいなのだが、とにかく遅い。更に子供のエスコートサービスとが必要かと勘違いしたようで、さらに時間がかかり、全部で1時間くらい待たされた。日本は丁寧だけど遅い。中国は乱暴だけど速い。

さて、北京に戻ると空気が汚い。霧とスモッグ。東京の白い雲青い空とは対照的だ。タクシーに乗り込むとキンキンにクーラーが入っているが、汗臭い。飛行機の後ろ半分はいつも中国人客ばかりで、私達もそこに交じって座ってきたが、スチュワーデスも含めて皆自然体だ。

男の服務員も「鸡肉或牛肉?」と問い詰めて、ガシャッとトレイを置いていく。テレビのゲームが動くけど始まらないと横の席のおじいさんが伝えると、じゃあ、再起動するからと言って戻った後、私のスクリーンも一緒にブラックアウトにされ、その後様子を聞きに来るわけでもない。何だか大味だ。大声で話し、出発ロビーでも飛行機の遅れに文句を言っている人もいない。足を伸ばして椅子の上でスヤスヤ寝ている。

飛行機では文章、姜文、ガヨウが出ている姜文の映画を見た。何だかドタバタだったけど、踊りにダンスに大仕掛けなステージにいろいろと魅せる。西欧人ダンサーを雇って派手な1930年代の上海の舞台を再現していて、ある意味で世界の魔都として的になっていたあの頃の中国に接近していると思った。

総じて日本は丁寧で優しく、秩序立っている。中国は全く相手に媚びる様子はなく、常に自然体で、乱暴だが速く、臭くてぐちゃぐちゃだ。それでも、収まりきらないエネルギーがあちこちで溢れていて、それが腹立たしくなる時もあるが、それが魅力でもある。

これ、北京に戻った感想なり。