理性的に見る日中の歴史

日本―ベトナム外交の論文を書いている中国人の友人のために検索していたら、どういうわけか、交流基金の2013年3月の講演に行きついた。
http://www.wochikochi.jp/relayessay/2013/03/japan-china-relations.php
これだ。

2012年の反日デモの時に中国人に理性的になるようネット署名を呼びかけた中国人の崔衛平(元教授、作家)のスピーチだ。

非常にクリアに丁寧に、今日、日中の歴史問題を考える上での重要なポイントについて触れていて、好感をもった。

まず、中国人に対しては理性的になるべきだし、確かに政治家に利用され・作られた「バーチャルな日本への恨み」はあったかもしれない。でも、火のない所に煙は立たぬ、でその火があることをもっと日本は正視せよという。

なぜ中国の人は70年経っても日本人を恨んでいるのか、という点について、中国人庶民の戦争の傷は戦後ずっと癒されずに来て、くすぶっているものがある。それは政府間の賠償とは別のレベルのもので、そう言う感情があるのは自然なものでもあり、日本ももっとその点を考慮に入れてお互いを刺激するようなことは避けるべきというのがおおよその流れだ。

そして、かつては中国はトップダウンだったから、庶民の癒されない感情に蓋をしておさえつけられたが、今はインターネットなどで独自の発信をする時代になった。市民の声はいまだかつてない力を得つつある。中国が民主化するプロセスの中で、日本と友好的にやっていくとは非常に重要で、そのことを日本の人も鑑みて双方付き合っていくというのが、まさに道義なのではないか、分かってくれと言う主張だ。

全くその通りだと思った。レクのホスト訳をしているのは及川さんだ。もう、数年前のイベントだけど、良い仕事をしていると思った。

その一方で、最近は軽い街ネタばかり書いている自分はどうしたものか。良い刺激を受けた。
これ、本日の北京なり。