中国化?日本の教育も行きつく所は「頭のいい子の育成」?

普段、中国で子供の教育を見ているとあまりに大人と社会が子供の教育を功利的に見ている文化が透けて見え、辟易している。その対極として、日本では、もっと子供本人の成長を軸とした、人間本位の教育があるのに、と考えてきた。

ところが、今回、子供を連れて日本に戻って感じたのは、日本もだんだん中国化しているということだ。本屋の目立つ棚や電車の広告には「頭の良い子の育て方」、「頭のいいこにする親のかかわり方」、「頭のいい子の共通点」などという本や雑誌が溢れているではないか。

あれ?ここは中国か?と一瞬自分の眼を疑った。ゆとり教育から、学力本位の競争主義へ舵を切ったことは知っていたが、正直、ググッと軸が動いていると感じた。長引く不景気からか、親も背に腹は代えられぬ、としっかり稼げる子供になってもらおうという意識が強まり、その点では中国の親と同じ状況に立たされているからなのだろうか。

中国の教育の問題点は火を見るよりも明らかだ。残酷な結果主義による競争原理が教育現場を支配していて、生徒個人の成長と言う視点が大きく欠けている。ただ、発展途上国の中国では、『これではいけない、もっと子供に良い教育を受けさせたい』というより良いものを求める空気も日に日に強まっている。

このベクトルが日本とは違う。そして、そのことの意味はとても大きいように思う。日本は中国が脱して次を求めたいと思っているものに逆戻りしているのではないだろうか?とさえ、思えてくる。勿論、これが私の被害妄想であるなら、それに越したことはないのだが。

これ、本日の日本なり。