49日間で20人が死亡した養護施設


マイケルサンデルの哲学史で功利主義の話を聞いて、実に中国の現在を支配する価値観に近くて驚いた。
早速、そんな中国の弱点というか、暗部の暗い怖い話が出ている。

月曜日19日の新京報の報道によると、自閉症の15歳の男の子雷文鋒君は去年の10月に深センで行方不明になり広東省新豊県のこの施設に入所し、たった2か月後に死亡してしまった。父親が亡骸を見た時はすっかりやせ細っていたという。その施設の近くの火葬場の記録では今年1月1日から2月18日までの49日間でなんと20人が死亡していることが分かったという。

元々刑務所だった場所を改造したこの施設は、中国の農村の山奥にあり、村民たちも中で何が起きているかよくわからないという。
中国が定める施設の条件は全く満たされておらず、極悪な条件下でコンクリートの上に寝起きする生活をさせられていたなんてことも書いてあった。

で、メディアにでて、ネットでも、CCTVの東方時空でも取り上げられて話は大きくなった。ここの県長は「ここの施設の死亡率は比較的高い。この具体的な原因を現在専門チームを組織して調査中。ここの人員の身は(知恵遅れや自閉症など)複雑なので、捜査には時間がかかりそうだ」といったという。

恐ろしい話で、思わず目をそむけたくなる現実がある、ということだろう。
この話を掻い摘んで中国人の同僚にしたところ彼女は「中国にはそういうところは多分まだいっぱいあります」という。
ん〜。動じない中国の人たちよ。
とは言え、これが、これだけ大きく報じられるようになった、と言うことは新しい問題意識の目覚め、とすべきでもある。

これ、21日の新京報なり。