小聡明と大聡明

中国語の表現は分かりやすくて面白い。「大」は良い、「小」はみすぼらしい、せこいの意味だ。

昨日、アメリカで20年弱暮らしている友人との話の中で、彼はこういう。
「自分がアメリカに来たばかりの頃は、アメリカ人は何てバカなんだろうと思った。でも今は彼らは決してバカでは無いのが分かった。中国人は小聡明だが、アメリカ人は大聡明だ」という。

中国では「小」は批判的に使う。あまりに有名な不愉快な言葉に「●日本」という蔑称がある通りだ。ここで言う「小聡明」はずるがしこい、とか狡いという意味。

その反対で「大」は褒め言葉。「大聡明」は大局に立った聡明さ、本質的な賢さとでも言おうか。英語で言うならWise とSmartの違いかな。

これを聞いて思い出したのが、昔、明石康さんが言った中国外交の印象。「中国は交渉技術に懲りすぎて、その先が今一」。相手を負かす技術はあるが、技術面ばかりに集中しすぎて、大局に立ったときにどうか、という意味だったように記憶している。

確かに、中国の外交[技術]はすごい。とても島国日本とは同じ平面で比較できるものではない。じゃ、海外からも偉大とされているかというとそうでもない。

中国が小聡明とアメリカで感じて戻ってきた中国人こそ、まさにその「大聡明」を実現する可能性を持っているのではないだろうか。

これ、本日の北京なり。