ニュースの切り口―後海の食堂張り紙事件

北京の後海の近くの庶民的な小さな食堂で漢字と英語で「日本人、フィリピン人、ベトナム人と犬は御断り」と小さく書いた張り紙が、だされて物議を読んだ。

フィリピンとベトナムなどで最初にネットで噂になったという。水曜の百度のニュースでは「日本人と犬御断りの張り紙」と題してポップアップニュースのトップで報道。

良く見ると日本だけでなく、フィリピン、ベトナムもあったことを私もその後ようやく理解した。中国で、「日本人、ベトナム人、フィリピン人と犬御断り」、と宣言したところでバカな街の食堂で終わりだが、「日本人と犬御断り」とするとぐっとインパクトがでる。だから百度はそう切り取ったのだろうが、これも、ニュースの曲解だ。

一方、中国でもこれに対して「愛国主義を装う人種主義だ」との批判が寄せられ、結局この店もその貼り紙を辞めざるをえなかった。中国世論はこの美しくない街の出来事に冷たかった。

さて、日本のメディアはどう伝えたかと言うと、店の人は反省していないなどこのバカな食堂の店主とこのメッセージ自体をクローズアップ。中国も曲解ならこれが中国国内で「人種主義者」と批判に晒されたことにほとんど触れない日本もこれまた片手落ちではないだろうか?

この店の店主のようにレベルの低い人はどこの国にもいるが、違うのはそれに対する社会の位置づけ、評価、報道の仕方だ。

ニュースの切り口を考えさせられる街角事件。
これ、本日の北京なり。