「日本はなぜ中国のスモッグをあざ笑うことができるのか?」

というのは、さっき騰訊の微信ニュースの2つ目に入ってきた記事の題名である。

『日本の大使館の人は「今北京に住んでいる人は動物実験をされている感覚」と言っている。…日本人が中国の大気汚染に対してあれこれあらさがしをするのはいったいどういうことか?』

とある。これはまた、日本を罵倒する記事なのかと思って読み進めると、全くその反対だった。(私の中文記事に起きた展開と同じ。)

「日中のGNPはほぼ同じになってきているのに、日本の大気中の微粒子は全く中国程ひどくない。」と小見出しで、東京の車保有数は既に800万台で、北京の500万台を大幅に超えているのに、PM2.5は常に35マイクログラム/㎥以下と指摘する。

じゃ、日本は如何に抑えたのか?と続く。

1)石炭消費は中国の16分の1
2)名目上のGDPは中国は日本の1.25倍、石炭消費は世界の半分を占め、日本の19.7倍
その原因は産業構造的に実物をつくる生産業が少ないことや、エネルギーの火力発電は24。7%にすぎず、核とガスが6割を占める。中国は火力が8割以上。

さらにガソリンの質。日本のガソリン、ディーゼルガソリンの硫含有量は10ppmと非常に低い。中国ではガソリン150ppm、ディーゼルに至っては350ppm。で日本の15倍。

山東省で抜き打ちテストをした時の結果は93号ガソリン6サンプル中2つの硫含有量は680ppm、910ppmだったという!(これ、めちゃくちゃだよ!)

工場排気。日本では、汚染排気違反による損失は、汚染防止施設の10倍になる。(賠償、名誉、営業停止等すべてを含める)

という内容で、読み終わると、「やっぱり日本はすごい」と言いたくなるのは私だけではないだろう。

何だか読み始めと読み終わりが全く違って狐につままれたようだ。

こういうカタチでないと、読者を引き付けられないからなのだろうが、「そういう空気」がまん延している現実には問題がある。

そうとは言え、どんな形にせよ、ちゃんと日本のことを伝えていて、しかも、日本嫌いの人にも伝えていると言う点では評価すべきなのだろうか。

複雑な思いで読んだこんな記事が今夜は中国中で読まれている。
これ、本日の北京なり。