消費者保護・クレーム事件の数々

今日は日系企業の中国事情の専門家に話を聞いた。中国出消費者クレーム(企業にとっては事件)が頻繁に起き始めたのは、2000年のWTO加盟以降の動きだという。

その事件の元祖が2000年年の東芝ノートパソコン事件だ。米国の集団訴訟に機器の欠陥は認めないものの、和解金を支払ったのに、中国ではそうしないことが批判された。それまでトップだった中国のノートパソコン市場で東芝はかなりの痛手を負った。その後、東芝は対消費者、マスコミ、官庁向けの広報を強化したという。

もう一つ有名なのは2007年のHPパソコン事件だ。これは3・15で取り上げられたケース。去年の落ちた肉を拾って売っていたのを隠し撮りされたマックはどうなるかと思ったが、即刻の謝罪が功を奏し、今では完全に回復している。

もう一つは浙江省の工商局が単独で外資商品の問題を騒ぎ立てるケースだ。ルイヴィトンが有害物質使っていると言われ、焼却処理されたらしいが、この動きは他省へは広がらなかった。なぜ浙江省なのか?中国の中小企業が多いからかもしれないがとにかく、浙江省は「外資に厳しい」と言われているらしい。

日本企業にとっては「外国要因」の上に歴史的「日本要因」があり、非常に神経質にならざるを得ない分野だ。日系と比較すると欧米はそれほど緊張はしていない。

アップルが「政府との関係づくりができていない」ということの真相は明らかではない。ただ、アップルはソニーや東芝のように中国で直接工場をつくって何千、何万という人を雇っていない。中国に居るのはトップのマネジメント人員だけ、「現場」をもっていないので、中国との接触も少ないと言う点では特殊である。